「【五環暮楽部】〜田笑の和〜「野良師のつぶやき」特集〜」
イベント報告 2008年06月08日(日)17:35
6月8日(日)、草取りの作業の後、15:00くらいから「野良師のつぶやき」タイム
(野良師・前田壯一郎さんを中心とした座談会)を行いました☆
その内容をご報告いたします。
(草取りの様子はコチラ→http://gokan-seikatsu.jp/diary.cgi?no=1844)
座談会は、集合場所の「茶わん祭りの館」の一室で行いました。大きなガラス窓の向こうに田んぼが見えて、爽やかな雰囲気。
お昼の漬物を提供してくださった同じおばあちゃんがつくってくださった名物おかき(えび、豆、青海苔、みかんの皮…なんかが入っています♪)と麦茶でお茶しながら。
まず、壯一郎さんに、自己紹介をしていただきました。
農業や田んぼとは縁のなかった名古屋で生まれ育ち、滋賀県立大学の環境科学部に入学。
在学中、長野のレタス農園で一ヶ月余りのアルバイトをした経験があり、面白いなと思ったこと。その後、下宿の周りの田んぼや畑を見て、「この米は誰がつくって誰が食べているんだろう」と、ふと思い、農や食のゆくえについて考えてみたこと。
大学院のとき、モンゴルへ湖の水質調査のツアーに参加したとき、むしろそこに住んでいる人や暮らしの方に関心を抱き、以来、人間の生活や民俗に関心を持ち始めたこと。
日本に帰り、あらためて進路を考えたとき、第一産業―林業や農業といったものに触れて生活していきたいと思ったこと。
そして、大学院を中退、農業法人で米作りを学んで3年、いつかは自分の田んぼをもちたいと思っていた志が、大学時代の友人のツテによって、現地・余呉町上丹生で花開いて、今年4年目になること。
田んぼ体験イベントはここに住んで一年目から行っているが、それは、もともと米作りを行ってきている地元の人に対しても、また、初めて経験する人に対しても、「米作りはしんどい、できればやりたくないものというマイナスイメージを拭ってやりたい。みんなでやれば楽しかったり、やってみたいという人のいることを伝えたい、という思いで始め、続けている。」
ということです。
壯一郎さんに、このように生い立ちやここに至るまでの経緯、米作りに対する思いなどを語っていただいた後、質問タイムに移りました。
「農業の一日ってどんなかんじですか?」
壯(=壯一郎さん、以下同)「目覚まし時計をしない生活を目指しています。事務的なことやメールチェックなどは朝に済ましてしまうことが多い。その日の作業によって、5時に起きる日もあれば8時まで寝ているときもあり、その日その日、いろいろですよ。」
「わたしはゆくゆくは農業で生計を立ててゆきたいと考えていて、米より野菜で、と思っているんですが、(田んぼが多い)滋賀では難しいんですか?」
壯「南の方はともかく、北の方になると冬の積雪の心配があって、年中野菜でとなると厳しい面がある。あと、野菜は農地面積が狭くても収益をもてるというメリットがあるけれど、滋賀の農家は大体が広い面積の土地をもっているので、わざわざ野菜でという考えもないのでは。」
「Iターンということですが、地元との関係って難しくなかったですか?」
壯「それほど身構えてはいない。わかってきたのは、むやみに敬語を使っても、相手を緊張させるだけで、距離を置かせるので、くだけた地元のことばでコミュニケーションをとるようにすると、だんだん馴染んでくれる。」
「都会から単身田舎へ移住し農業で生計を立てるという思い切ったことをされているわけですが、生き方を模索している現代の若者へのアドバイスやメッセージはありますか?」
壯「考えすぎ、遠慮しすぎではないかなと思う。もっと、自分が人生を選んでやる、決めてやるんだという気持ちで将来に挑んでみては。例えば、企業の面接にしても、何かを聞かれ、それに対して応えるという受身の姿勢ではなく、こちらが、企業に対して、企業の経営方針や理念、将来の方向性を聞いてやる、こっちが選んでいるのだという姿勢で挑むべきでは。」
…などなど、
その他にもいろんな質問などありましたが、これくらいで割愛させていただきます。
今回は「農業と野良師」というくくりの話題が多かったですが、野良師・前田壯一郎という人は、実はもっと面白く、多面的な人ですよ^^
(…と、私個人は思います<カナ:文責(当イベント企画者))
音楽もやるし、アウトドアもやるし、民俗学や文学への関心も強いし、新しい情報、世間のニュースにも敏感です。
だから、彼に直接つながる多分野の人間がこんなにも多いんでしょうね。
「あの人は本当に顔が広いなあ。」とはよく言われていることです。
人に興味あり、人(とのつながり)を大事にしている人ですから。
貴重なお話をありがとうございました。
これからもよろしくお願いします♪